医療法人に強い、歯科医師のための弁護士です。
医療法人の法律問題、トラブルにお悩みの歯科医の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。医療法人に強い弁護士への相談が、解決への近道です。
まず医療法人のコラムの一覧をご紹介します。その上で、医療法人の附帯業務、収益業務、付随業務についてご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療法人の業務範囲<平成28年5月27日現在>」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。
医療法人のコラム
1 医療法人のコラムの一覧、歯科医院の医療法人化
2 医療法人とは(1):本来業務、附帯業務
3 医療法人とは(2):附帯業務、収益業務、付随業務
4 医療法人の定款の書式(1):名称及び事務所、目的及び事業
5 医療法人の定款の書式(2):社員総会、役員
6 医療法人の定款の書式(3):理事会、解散、合併及び分割
7 医療法人の運営の留意点(1):定款・寄附行為、役員
8 医療法人の運営の留意点(2):社員、社員総会、理事会
9 医療法人の運営の留意点(3):業務一般、人事管理、資産管理
10 医療法人の運営の留意点(4):会計管理、登記、公告
医療法人の附帯業務(2)
社会福祉法の定める事業の実施
社会福祉法2条2項及び3項に掲げる事業のうち厚生労働大臣が定めるものの実施をすることができます。
有料老人ホームの設置
老人福祉法の規定する有料老人ホームを設置することができます。
留意事項
1.役職員への金銭等貸付
役職員への金銭等の貸付は、附帯業務ではなく福利厚生として行うこと。この場合、全役職員を対象とした貸付に関する内部規定を設けること。
2.奨学金の貸付
医療従事者の養成施設に通う学生への奨学金の貸付は、医療施設の運営における医療従事者確保の目的の範囲内において、奨学金の貸付に関する内部規定を設けるなど適切に行われる限り、差し支えないこと。
3.社会福祉法の定める事業の実施
社会福祉法の定める事業の実施については、社会医療法人のみに認められるものがあること。
4.個別法の手続き
定款等の変更認可申請とは別に、個別法で定められた所定の手続(許認可、届出等)を要する場合があること。この場合、個別法の手続の前に定款等の変更認可申請をする必要があるが、手続を並行して行う場合は、各手続の進捗状況に伴い、定款等の変更認可日が後れることは、やむを得ないこと。
医療法人の収益業務
社会医療法人の収益業務
社会医療法人は、その開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務に支障のない限り、定款又は寄附行為の定めるところにより、その収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める業務(収益業務)を行うことができます。
収益業務の種類
収益業務の種類は、日本標準産業分類に定めるもののうち、次に掲げるものです。
①農業
②林業
③漁業
④製造業
⑤情報通信業
⑥運輸業
⑦卸売・小売業
⑧不動産業(「建物売買業、土地売買業」を除く。)
⑨飲食店、宿泊業
⑩医療、福祉(病院、診療所及び医療法第42条各号を除く。)
⑪教育、学習支援業
⑫複合サービス事業
⑬サービス業
(注)医療法関係法令の規定に基づく定款・寄附行為変更の手続き以外に、それぞれの業務に係る関係諸法令に基づく許認可、届出等の手続きが必要です。
業務要件
収益業務については、次に掲げる要件を満たすものに限られるものであり、その規模、内容等についても、規則第30条の35の2の要件を満たすものであるほか、法の規定により設立された法人の行う業務として社会的に許容される範囲内のものであることに十分留意する必要があります。
①一定の計画の下に収益を得ることを目的として反復継続して行われる行為であって、社会通念上業務と認められる程度のものであること。
②医療法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるもの(※風俗営業、武器製造業、遊戯場など)でないこと。
③経営が投機的に行われるものでないこと。
④当該業務を行うことにより、当該医療法人の開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務の円滑な遂行を妨げるおそれがないこと。
⑤当該医療法人以外の者に対する名義の貸与その他不当な方法で経営されるものでないこと。
医療法人の付随業務
付随業務の具体例
開設する病院等の業務の一部として又はこれに附随して行われるものは収益業務に含まれず、特段の定款変更等は要せず、附随業務として行うことが可能です。附随して行われる業務とは、次に掲げるものです。
①病院等の施設内で当該病院等に入院若しくは通院する患者及びその家族を対象として行われる業務又は病院等の職員の福利厚生のために行われる業務であって、医療提供又は療養の向上の一環として行われるもの。したがって、病院等の建物内で行われる売店、敷地内で行われる駐車場業等は、病院等の業務に附随して行われるものとされ、敷地外に有する法人所有の遊休資産を用いて行われる駐車場業は附随する業務に含まれないものとして取り扱います。
②病院等の施設外で当該病院に通院する患者を対象として行われる業務であって、当該病院等において提供される医療又は療養に連続して行われるもの。したがって、当該病院等への、又は、当該病院等からの患者の無償搬送は、病院等の業務に附随して行われるものとされ、当該病院等以外の病院から同じく当該病院等以外の病院への患者の無償搬送は附随する業務に含まれないものとして取り扱います。
③①及び②において、当該法人が自らの事業として行わず、当該法人以外の者に委託して行う場合にあっては、当該法人以外の者が行う事業内容が、①又は②の前段に該当するものであるときは、当該法人以外の者への委託は附随する業務とみなし、①又は②の前段に該当しないものであるときは、附随する業務に含まれないものとして取り扱います。
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